【取材】「Reeha」代表 勝又 萌氏

「ゴミを出さずに買い物を楽しむ『量り売り』、そこに込められた想いとは。」

SDGs SQUAREでは、サステナブルやSDGsを意識した活動をされている方にインタビューをしています。どんな想いをもってその活動をしているのかを伺い、一人でも多くの方に伝えていければと思っております。

第13回目は、「Reeha」代表 勝又 萌氏です。

Profile 
大学では、心理学を専攻。新卒で8年間、児童養護施設に勤務。現在、Reeha代表として活動中。

千葉県船橋市と多古町の生活環境が違う2拠点で、こだわり抜かれた食材をゴミの出ない買い物スタイルで提供するReeha。その活動にはどのような想いが込められているのか、お話を伺いました。



ゴミを出さない「量り売り」というお買い物

―――具体的な活動内容を教えてください
「千葉県の船橋市と多古町を拠点に、自分の好きな量だけ買えて、ゴミを出さずに買い物が出来る『量り売り』というスタイルで、オーガニックにこだわったドライフルーツやお米などを販売しており、固形シャンプーなどのエコ商品も取り扱っております。

船橋を中心にマルシェにも出店をしており、そこには今まで環境問題に興味がなかった方など、様々な方が集まってくれるので、新しい出会いのある素敵な場所だと感じています。

量りを使って、買いたい量を決める


量り売りを初めて体験してくれる人の中に、『自分で好きな量を入れるのが楽しい』『大人の駄菓子屋みたい』と、ハマってくれる人もいます(笑)。
環境問題に興味がある人だけでなく、どなたでも楽しみながら取り組めるのは、量り売りの強みだと感じています。」




自ら新しい場所を切り開いていきた

「お店をオープンさせる前に周りの方から『環境問題に興味を持っている人が多い、海に近い町でないと量り売りのお店は無理だよ』と言われたことがありました。

ですが、私からすると、そこは既に多くの人が活動している場所だと感じていて。そうではなく、新しい場所を切り開いて、自分の肌感覚でニーズを調べていきたい!と思い、船橋と多古町の2拠点で活動を始めました。」



自分に振り向いてくれる瞬間を考えたとき、それは買い物方法だった

―――この活動にはどのようなきっかけがありましたか? 
「日常生活の中でプラスチックを大量に消費していることや、ゴミの量が多いことに違和感を持ち始めたことがきっかけです。

そこから深く調べていくと、他の社会問題との繋がっていることに気が付きました。さらに私自身が学生時代から興味を持っていた『社会的弱者の問題』とも繋がっていきました。
様々な気づきから、このことに違和感がない人たちも違和感をもってもらえる機会があればいいなと思ったんです。

まだ環境問題に興味の無い方々に向けて『オーガニック』などの言葉を使った時点で、シャッターが下りてしまうことが多いんです。ですが、その人たちが自分に振り向いてくれる瞬間は何かと考えたときに、それは『買い物方法』だったんですよ。
そこで海外に行ったときに出会った『量り売り』で、買い物方法に焦点を置いてみようと決めました。」



様々な考えを持っている人たちと共存していきたい

―――この活動を通してどんなことを実現したいですか?
「お店に来店して下さったときに、『量り売りショップってなんか面白そう』と興味を持ってもらいたい。日常生活の中で、『こんなにもプラスチックを使いすぎていたんだ』『逆に使い捨てでなくても買えるんだ』と、知る機会を作りたいと考えています。

また、今はまだ環境問題に興味を持っていない方々とも、繋がっていたい。壁を作らずに共存できるような関係性を作っていきたいですね。今はまだ環境問題に取り組む人とビジネスの世界は、真逆の世界にあるように感じていて、それが一緒になれたらいいなと思っています。」



「環境を悪くしていない」大人でありたい

「このお店を始めるためにゼロから環境とビジネスについて勉強しました。沢山の方から意見をもらい、『環境を良くすることって結局何なの?』と改めて考える機会になりました。

環境を『良く』するのは難しいですが、環境を『悪く』することは私にとって気持ち悪いことだったんですよね。
そして悩みに悩んだ末、『環境を悪くしていないと言い切れる大人でありたい』という考えに行きつきました。」



ここに来れば全てが揃う、そんなお店にしたい

―――今後、どんなことに挑戦してみたいですか?
「京都に『斗々屋』という日本初のゼロ・ウェイストなスーパーマーケットがあるですが、そのようなお店を目指しています。

生活用品から食材まで揃えて、『ここに来れば大体の物が買える』ようなお店にしたいと考えています。プラスチックをなるべく使わずお買い物ができ、なおかつ楽しいお店にしていきたいです。」



―――私達が社会問題に対して、今日からできることを教えてください。

「まずは何が環境のためになるか、そして何が自分に合うのかを知ることが大切だと思います。知っていく中で様々な出会いがあるのではないかと思います。

都会の中でエシカル消費をしていくのか、田舎へ移住してサステナブルに生活をするのかなど、様々な選択肢の中から人それぞれが選択していくことがいいのではないかと思います。」



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ゴミを出さない『量り売り』という買いもの方法で、日常生活から環境問題について考えるきっかけを作られている、勝又氏にお話を伺いました。

私たちが毎日食べているものをきっかけに、考える人が増え、より環境問題を解決する活動が増えることを願います。


〈Information〉Reeha
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