【取材】「畑で考え学ぶサロン」オーガナイザー 塚本サイコ氏、畑コーチ・長谷川農園 園主 長谷川晃氏

リジェネラティブな再生農業を伝える、そこに込められた想いとは。

SDGs SQUAREでは、サステナビリティやSDGsを意識した活動をされている方にインタビューをしています。どんな想いをもってその活動をしているのかを伺い、一人でも多くの方に伝えていければと思っております。

第19回目は、「畑で考え学ぶサロン」オーガナイザー 塚本サイコ氏・畑コーチの長谷川農園園主 長谷川 晃氏です。


Profile 

リジェネラティブなスタイルの家庭菜園・週末農・半農半エックスといった新しい価値観の生き方在り方農ライフをサポート。地球と”土”をわかちあう野菜づくりを提供している。

畑の中で学ぶことを大切にし、仲間と一緒に農業を考えて学ぶ場には、どのような想いが込められているのか、お話を伺いました。



固定種在来種を100%使用した野菜作り

―――具体的な取り組みを教えて下さい
長谷川「土と地球とわかちあう野菜づくりをコンセプトに畑で考え学ぶサロンを運営しています。1年間12回のスケジュールで進行しており、午前中には畑で作業をして、午後からは座学で学んでいくという形で、経験と全体的な知識を伝えています

農業には実は環境破壊に繋がってしまう側面もあることが近年知られていますが、環境破壊しないで維持することが有機栽培であり、さらに農業によって自然環境を良くしていく考え方が再生型農業のリジェネラティブアグリカルチャーです。私たちはそのリジェネラティブのことを、基本的な野菜の栽培方法とともに伝えています。

また、固定種在来種を100%使用しており、種を採取することも実践し、次の命につなげられるようにしています。」





学んだ後、普段の生活の戻っていくことに虚無感があった

―――この活動を始めたきっかけは何ですか?
塚本「私は自然派の家庭で育ちました。ある日、知り合いの紹介でカフェをオープンすることになり、小さいころの家庭環境の影響も受け、ナチュラル系をテーマにしたカフェを展開していました。

カフェのお取引先であった野菜を固定種で育てる『長谷川農園』の長谷川さんと出会い、彼らのような正直に正しいことを実践している農家さんとその野菜を都心部で知らせていくことが自分の使命と感じ、活動していました。

私のカフェでは、トークショーや種取りのワークショップなどの沢山イベントを開催していたのですが、伝えるだけでは一方的だなと感じていました
イベントでは高揚しますが、どうしても家に帰る頃には忘れてしまい、翌日からは普段の生活に戻っていく。そんなもどかしさについて長谷川さんとよく話していました。

イベント開催などで感じた違和感や虚無感を解決するために、何が出来るか考えている中で、この『畑で考え学ぶサロン』を展開することになりました。」





サッカー青年からサッカーコーチ、そして農家へ

―――長谷川さんが農家になったきっかけは何ですか?
長谷川「キャプテン翼に憧れて小学生からサッカーを始めて、高校生卒業後ブラジルやスペイン、シリアなどの世界各地を巡りました。 海外でサッカーコーチとして活動している中でサッカー技術を教えるよりも先ずは食の大切さを学びました

日本にいると本当に気が付けない『食の危機が迫ってきている』と感じたからです。 そこから食を作る農家を志しました。」





体験を越えた体感

―――活動を通して伝えたいことは何ですか?
長谷川「まずは楽しいと思ってもらうきっかけから、環境への意識にも繋がっていってほしいと思っています。この繋がりを伝えようとは思っていなくて、ここに来てくれれば自然と感じるようになれれば良いなと思っています。」

塚本「私たちの活動では、みんなで『土』に触れることで、体験を越えた体感ができると感じています。これは畑に来てもらわないと感じられないので、ぜひお越しいただきたいです! 」

長谷川「そうですね、なんか畑が私たちを受け入れてくれる感覚がありますね。」



畑で考え学ぶサロンの中で経済圏を回していきたい

―――これから挑戦したいことは何ですか?
(塚本)「メンバーたちが元々持っている叡智を全て集めて、サロン活動の中で『村』のような経済圏を作るのが私の目指しているところです。

サロンメンバーは一期10名定員という少人数制をしいていますが、二期現在メンバーは20人以上おり、これからも増え続けます。それぞれ技術を持っている人が多いんです。

みんなの価値観を知っている『畑で考え学ぶサロン』という中で、例えば何かを買う時にメンバーから何かを購入するような流れを作りたいなと思っています。」



食と農と繋がることから

―――私たちが社会問題に対して、今日からできることを教えて下さい。
長谷川「率直に畑に遊びに来て欲しいですね。土と関わることが全ての土台だと思います。それも、触れるのであれば肥沃な土が良いと思います。肥沃な土がある『畑で考え学ぶサロン』へぜひ遊びに来てください!1日の学びを体験できる体験見学も準備しております。」

塚本「まずはご自身が住んでいる地域の農家さんと繋がって欲しい。都内でも農家さんを見つけることはできます。

ファーマーズマーケットなども普及していますから、農家さんから野菜を買うところから始めてみて欲しいと思います。 このように第一歩を踏み出すと、次は有機栽培とは何だろう、不耕起栽培も気になるなと興味がだんだんと広がってくると思います。」


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土に触れる体験を通して、リジェネラティブな再生農業を伝える塚本氏、長谷川氏にお話をお伺いしました。

彼らのように畑の中で学ぶことを大切にし、仲間と一緒に農業を考えて学ぶ場や取り組みがより多くの方に広がっていくことを願います。



〈Information〉畑で考え学ぶサロン
2023年5月開講 第三期 募集要項 https://note.com/hatasalo/n/n99f629b48680

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