【取材】「㈱ヒーローインターナショナル」髙橋 秀彰 氏

「世界初!新品のデニムを置かないnudie jeansのリペアステーション」

SDGs SQUAREでは、SDGsやサステナブルを意識した活動をされている方にインタビューをしています。どのような想いをもってその活動をしているのかを伺い、一人でも多くの方に伝えていければと思っております。

インタビュー第3回目は、nudie jeans日本総代理店として国内展開する、株式会社ヒーローインターナショナル 代表取締役社長の髙橋 秀彰氏です。
2020年12月にオープンした、東京・北青山(東京都港区北青山3-3-7第一青山ビル2階)の「世界初のリペアステーション」に伺った。

「nudie jeans」は、ジーンズを通して環境問題に取り組む、スウェーデンのデニムブランドだ。
私たちは、季節やトレンドに合わせて、様々なデザインが施された洋服でファッションを楽しんできた。だが、昨今アパレル業界も環境問題に大きな影響を及ぼしているなどというニュースを、よく耳にするようになった。
このような現状を解決する為に、どのような事ができるのか。その1つのヒントを教えてくれるブランドである。

Profile nudie jeans」 2001年の設立当時からサステナビリティを企業理念としている。LAGON(スウェーデン語で、物事の具合が丁度良いバランス=Get the Balance Right)をキーワードとし、修理しながら長期間使用できるようなデザインに。2012年以降は全てのデニムを100%オーガニックで製造販売。ジーンズの永続的な使用を目指し、フリーリペアサービスを提供している。


―――世界初!リペアサービス・リユースのみ取り扱う、リペアステーション

ここでは、穴が開いてしまったり、修理が必要な同ブランドジーンズのリペア作業を専属で行っている。年間8千本から1万本のデニムを預かり、その数は年々増加。海外から日本への旅行中にジーンズを預け、再び日本へ旅行の際に受け取った方もいたそうだ。リペアの仕上がりのイメージができるよう、サンプルを作るなど工夫を凝らしている。2019年には全世界の店舗で修理されたジーンズは、合計63,281着になった。リペアサービスの他に、nudie jeansのリユースジーンズなども販売されている。

さらに、もう履けなくなったジーンズを持っていくと、下取り当日に新品を購入の場合は20%OFFでジーンズを購入することができる。そうして集められたジーンズは、リペアの当て布にしたり、本国スウェーデンへ送り返してリサイクルコットンとして再利用されている。
髙橋氏はこう語る。「活動の一つとして、我々の発信できる場所という意味でこの専門店をオープンしました。付加価値であるこの取り組みを理解して下さる方々のおかげで、nudie jeansのジーンズを長く履いて頂けていると思っています。昔であれば捨てていただろうものでも大切に履いて下さるのを見ると、とても嬉しくなります。さらに、自分たちが修理を行うことで、このようにリペアをすれば、まだ履けるようになるのだと実感します。」


―――サステナビリティとは、「製造によって生まれる影響に責任を持つこと」
nudie jeansはサステナビリティをどのように捉え、具体的にどのような活動をしているのだろうか。
同ブランドの活動の中で、サステナビリティへの取り組みは最優先事項と捉え、戦略面でも運営面でも意思決定プロセスの中で、最も重要な要因になっているという。                             ジーンズの製造で使用するコットンは完全オーガニックにし、コットン農場で働く方々を守ると決めている。数回の使用で捨てられるものではなく、特別な処置を必要とせず、修理しながら長期間使用できるようなジーンズを提供されている。
「nudie jeansは自分たちが見える範囲、受け継いでいける範囲の、100年ブランドを目指している。デニムを通じて社会活動をするという考え方に共感している」と、髙橋氏は語る。


≪サステナビリティポイント≫
■2012年からすべてのデニム製品をオーガニックコットンで生産

■レザーパッチではなく、2018年から紙製のパッチを全ての製品に使用

■国際的に証明されている原材料の使用を徹底 

■コットンの再利用で作られたカーペット




―――「環境に良い活動をしている事が“スタンダード”となる社会にしたい」
「このブランドを通じて環境問題に取り組んでいくのが私たちの使命であり、このブランドを通じて環境問題に意識を向けるようになって欲しいと思っています」と、髙橋氏は語る。
私たちが今、着ているTシャツはどんな素材で作られているのか。もしコットンから作られているのなら、それはオーガニックコットンなのか。こう考える事も、環境問題に意識を向けるきっかけになるのではないか。


―――更なる挑戦をしていくnudie jeans
これまで、コットン以外で何か出来ないかと考え、様々な挑戦をしてきた。限定商品として、デニムの主な素材であるコットンではなく、紙や竹それからヘンプといった素材を使い、新しいジーンズを作ってきた。

<紙>
〈竹〉
〈ヘンプ〉


今後、更なるnudie jeansの挑戦に目が離せない。

―――
nudie jeansはデニムの生産が盛んなイタリアで、ほとんどの商品が製造されており、着やすさを重視している。機能性と環境配慮の両方にこだわりつづけている。“環境問題”と聞くと、大きな問題で私たちの生活とはかけ離れているように思うことがある。だが、毎日着ている“服”から環境問題を考えてみると、より身近な事に思えるのではないか。
nudie jeansのリペアステーションに足を運んで、サスティナブルファッションを体験してみてはいかがでしょうか。


〈Information〉
nudie jeans repair station
所在地 〒107-0061 東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル2階
TEL 03-6804-1312
営業時間 12:00-20:00
定休日 平日のみ営業(土日・祝はお休み)
nudie jeans公式HP https://www.nudiejeans.com/ja/
日本代理店株式会社ヒーローインターナショナル公式HPhttp://www.hero-inter.com/
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